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音楽祭概要
くまもと復興国際音楽祭は2020年4月に開幕予定でした。新型コロナのため2020年は音楽監督篠崎史紀さんと熊本出身のピアニスト入江一雄さんの無観客リサイタルと行い、熊本の人たちのリモート演奏をとともにネットや特別番組で多くの人に聴いていただきました。2016年の熊本地震のあと立ち上がった音楽復興支援100人委員会で行った「音楽の炊き出しコンサート」(避難所や仮設住宅での演奏)、「熊本地震復興祈念コンサート」(2017年の復活、2018年の第九、2019年のレクイエム)で示された音楽の不思議な力を音楽祭に発展させて熊本の復興にさらに貢献するという目的でした。
しかし、2020年には新型コロナ、熊本県南部の豪雨災害という予期しなかった危機も発生しました。2021年秋、くまもと復興国際音楽祭はこれらの大きなダメージから未来へつながるための音楽祭として本格スタートします。
「音楽の炊き出しコンサート」「熊本地震復興祈念コンサート」
から「くまもと復興国際音楽祭」へ
2016年4月、熊本を震度7クラスの地震が2回続けて襲いました。
地震の翌月、「くまもと音楽復興支援100人委員会」が活動を始めます。まず避難所や仮設住宅に演奏家を案内して体育館や仮設住宅で行ったのが”音楽の炊き出しコンサート”です。熊本のみならず全国から多くの音楽家がボランティアで協力してくれました。地震で住む家をなくして不便な生活を強いられ、ストレスが日に日に増してきた方に生の音楽を聞いていただきました。音楽を聞いて笑顔になった方、一筋の涙を流された方、「外国旅行に行ったごたる!」と大きな声で叫ばれた方。音楽は心の復興に一役買うことができました。
”音楽の炊き出しコンサート”は3年間で338回開催しました。2017年4月14日(熊本地震からちょうど1年後)に熊本県立劇場で第1回「熊本地震復興祈念コンサート」を開催しました。曲はマーラーの交響曲第2番「復活」です。当日は指揮者もソリストも全国(ヨーロッパからも)からボランティアで集まったプロオーケストラのみなさんもそして熊本の人を含む合唱のみなさんも、そして満席の会場のお客様も熊本地震からの”復活”に思いを集めました。
終演が地震発生の夜9時26分。感動的な演奏の後、全員で黙祷を捧げました。このコンサートはお客様の多く、演奏者の多くも涙を流して感動を共有しました。



音楽は確かに生きる力につながるとの確信が持てました。熊本地震復興祈念コンサートは2018年のベートーヴェン/「第九」、2019年のヴェルディ/「レクイエム」に続きます。
「第九」では”全ての人が兄弟になる”という歌詞に焦点をあて、熊本地震で人と人との関係の素晴らしさを改めて共有することができました。「レクイエム」では熊本地震で尊い命を失われた多くの方への哀悼の気持ちを共有しました。第2回と第3回ではコンサートの冒頭に熊本の若い音楽家と一流のプロ演奏家との共演の機会を設けました。きっと彼らは音楽での熊本の発展に力を発揮してくれることと期待できます。
「復活」「第九」「レクイエム」と続けた3回の熊本地震復興祈念コンサートで、多くの人が”音楽の力”をより一層強く確信することになりました。そしてその”音楽の力”で熊本の世界の未来に貢献するために”くまもと復興国際音楽祭が誕生しました。



